あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「じゃ、受付に行こうか。葉月さんと俺は、このぶつかりアクシデントから仲良くなったってことで」

「了解」

 あれは架くん自身がわざと起こしたのだけれど、私を助けるためだった。
 イベントが終わったあともずっと、変な男に目をつけられたらまずいと、守ってくれたのだろう。
 それもあるし、この潜入の仕事を成功させるためでもある。


 私たちは受付を済ませ、会場内に入った。
 時間ギリギリだった私たちよりも先に入った他の参加者が、会場内には大勢(つど)っていて、もうすでにあちこちで各自談笑している。

 受付で聞いたのだけれど、このイベントは女性の申し込みが少なかったらしい。
 だからなのか、受付時に「ご参加ありがとうございます」と丁寧にお礼を言われた。

 他社の人間ですし、実は肝だめしは嫌いです、などと正直に暴露できるわけがないので、心の中で「ごめんなさい」と謝っておいた。


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