あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 私は緊張で血の気が引いているからか、手がひんやりと冷たくなっている。

 架くんの手は程よく温かくて、安心できるぬくもりがあった。
 私の手を完全に覆ってしまうんじゃないかと思うくらい大きくて、関節が太く、男らしい手だ。

 そんなふうに意識すると、頬が熱くなってきそう。
 私は今、異性と手を繋いでいる……アラサーなのに小学生レベルな思考の自分にあきれる。


 もうすぐ出口だと言われ、一瞬気を抜いてしまったのがダメだったのだろうか。
 隙をついて、また私の視界にぼんやりと白いものが映りこんだ気がした。

「やだ!!」

 立ち止まって訴える私に引っ張られ、架くんも歩みを止める。

「な、なにかいた!」

「なにかって?」

「わかんない。白いもの。……霊?」

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