あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 帰り道をゆっくりと歩く途中で、架くんがせっかく提案してくれたのだけれど、車に乗ったら絶対に吐くだろうと想像がついた。
 とにかくそれくらい、なにが原因かわからないが気分が悪い。

「じゃあ、あそこに座って休もう」

 架くんが指を差したのは、大きな公園の入り口付近に設置されたベンチだった。
 そばには外灯も自動販売機もあって明るい。
 暗いところには居たくなかったから、私はそれには即座にうなずいた。

「……ごめん」

 私をベンチに座らせ、そばの自動販売機にコインを投入しながら架くんが謝ってきた。
 ガタゴトと音を立てて落ちてきたスポーツドリンクの蓋を開けて手渡す彼の瞳が、面目なさそうに揺らめいている。

「なんで架くんが謝るの。私こそごめんなさい」

 謝らなくてはいけないのは私のほうだ。
 現場で気絶するという最悪なケースだけは免れたものの、結局この始末なのだから。すっかり架くんにお世話になってしまった。
 あそこには遊びに行ったわけではないのに……。

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