斉藤さん家の恋愛事情
side.千颯

『キャ━━━━━━ァァ!!!』

バスケ試合会場。
体育館。

どっから、そんな声が出るんだ!?

正直、そう思った。

女子たちの悲鳴は、颯にぃと颯斗にぃに向けてだ。

男子の決勝で、颯斗にぃのクラスと颯にぃのクラスが試合中で、颯斗にぃのクラスが今のところ勝っていた。

…あたしのクラスは、準決勝で、なぜかあたしに敵対心を向けてくる、荒川公海(あらかわくみ)と当たり、15:14という僅差で負けた。

勝てない試合ではなかったけど、公海の視線が痛かった。

『キャ━━━━ァァ!!!頑張ってぇ!颯斗さん!颯さん!』

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