斉藤さん家の恋愛事情

side．颯

｢もう、家でパソコンはやめるか。｣
完全に、千颯に怪しがられてるな。
めったにパソコンは家でやらないし。

…え？話し方違うって？

｢そりゃ、…ねぇ。後からわかるよ｣

｢おい、颯。千颯、思いっきり怪しがってっけど？｣
笑いながら、俺をみる。
ちょっと、ムカついたから
蹴っ飛ばした。
｢アイタッ！おま、マジないわ。｣
｢知らない。…あいつが俺を真面目くんにしてんだろう。｣

そう、いつからか、真面目にし過ぎて、勘違いされた。
そして、今に至る。
俺だって、普通にピアスの穴、３個くらいあいてる。


｢着いた。うるさいから、静かにしてくれる？｣
｢｢はいはい｣｣
海颯ねぇさんには、逆らえない。
海颯ねぇさんは、キレると怖い。
いや、まじで。

あぁ、ネクタイ締めないとな。
一人称は僕。
礼儀正しく。
女子には優しく。

｢おはようございます。朝川さん｣
正門をくぐった所で、朝川さんというギャル女につかまる。
僕は…俺は、結構、女子にもてる。
女だから優しく。
女だから優しく。

心の中でイライラしながら繰り返す。

そんな毎日を続けてる。