涙の数だけ愛した証拠。
「菫ー?なんか嬉しそうだねー?」
と、茉利が私の顔を覗き込む
「そうかな、でも今日は放課後柊先輩が来てくれるからね」
この間言ってくれた通り、今日は先輩が来てくれることになったのだ
「菫、本当に柊先輩の事好きだよね〜」
「好!?ち、違うよ、ただ先輩の絵は素敵でいつも輝いていて、私はただ憧れてるだけでっ…」
それに、私はまだ恋をした事がない
好きという気持ちでさえもまだわからないのだ
他の女の子は皆恋をしていて私はいつもそれをただ羨ましく見ているだけだった
「茉利は、好きな人とかいるの?」
「私?私は…いるよ、でも秘密っ」
「そうなの!?茉利にも好きな人いたんだ!」
「うん、秘密だけどね、」
そっか、こんなにも近くに恋をしている子がいたなんて
「気付かなかったなんて私馬鹿だなあ」
「…じゃあこうしよっ、菫が次の美術のコンクールで入賞したら私の好きな人教えてあげる!」
「ほんとに?約束ね!」
「約束っ!」
すると
「菫ちゃん?」
遠くから私を呼ぶ声が聞こえた
「柊先輩!?」
「時間あったから早めに来ちゃった」
そう言って微笑む先輩が立っていた