私のダーリン
彼女が、
俺には、見せた事のない
溢れるような笑顔の先には
仕事もスタイルも完璧な
ヤツの姿だった。

オフィスの片隅で
眺めた通り。
「何で…俺じゃないんだ…クソッ!」
窓を叩く。
背中越しに、

「哀愁漂う男の姿ってか?」
「笹本、いきなりなんだよ。俺は別に」

「あのさー、あんた見てれば
わかるよ。好きなんでしょ?和香の事
でもね。隼さんとは、学生の頃から
付き合ってんの。ラブラブ。」

「…。諦める…。無理だよ。」

「はぁ…。ねぇ!今日飲みいく?
話し聞くよ?」

情けない。それでも、笹本は
和香ちゃんの親友。
この際、飲んで、
モヤモヤを晴らしたかった。

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