私のダーリン

私は、
フロント業務につき、
沢山のお客様をお迎えしていた。
お得意様やご予約をらされたお客様の
顔を覚え、名前を覚え、
笑顔を忘れずに…。

私の前を通る町田君。
和香に夢中…。

初めての研修で失敗続きの私に
「元気だせよ。まだ、始まったばかりだろ？」ポンと肩を叩き、
にっこりと笑って見せる白い歯。

ドキドキした。
だって…。さりげなく優しくしてくれる
町田君に
惹かれて行く自分に気づくのに
時間はかからなかった。
和香の彼の存在に
肩を落とす姿。
ねぇ…私じゃダメ…？
そんな事、言えるはずもない。
好きな人がまして、親友を好きだなんて
つらすぎる。
わかってる…。
告白する前に失恋。
知ってる。
叶わないって。
でもね。
側で、笑って話して、それだけで
いい。
笑って…。悲しい顔、もう、
見たくない。
恋人が無理なら、友達のままで
いい。
あなたを好きな事、
心の中に仕舞って。
笑うよ。あなたの為に。