私のダーリン
「どうも!」

暖簾をくぐり中へ。


「いらっしゃい!」
俺とあまり変わらない年齢の
男性が
「仕事終わりですか?」
「あ!こいつ!異動で本社にきた
海東!取り引きが上手くいったんだ!
祝杯だ!」
豪快に笑う中島部長。

「とりあえず!生!3つ!腹減ってないか?ここは、なんでも美味いぞ!」
メニューを眺め
「あの!これを」
和香が良く作ってくれた揚げ出し豆腐。
そして、焼き魚御膳を頼んだ。

「おっ!渋いところ頼むな?」
「はい…。彼女が良く作ってくれてたので。」
「海東、彼女居るのか?」
先輩の木原さんに
和香の話しをした。
「そうか…。じゃ、
寂しがってんだろ?」
「まぁ…。心配してんのは…俺の方なんですけどね。」
「可愛いのか?その彼女?」
二人で撮った写真を見せた。
「お〜〜!可愛い子だ。ねぇ?部長!」
待ち受けの画面を見て
部長は…。
「俺は、美人だと思う。うん。」
「ありがとうございます。」
「泣かせるなよ。
幸せにしてやらないとな。」

その言葉がやけに重く聞こえた。

それから。
和やかに飲み
店を出た。
2人に挨拶をして
自宅へ向かう途中。
携帯にメールが入る。


ーー隼。
お疲れ様。お仕事どうですか?
私は、なんとか頑張ってます。
でも…。やっぱり…さみしい。
隼に会いたい…。
ごめんね。我儘で…。
おやすみなさい。


「和香…。ごめんな。待ってろ。必ず
迎えに行くから。」

ーー和香。、
仕事は、順調だ。和香も頑張れ。
週末に帰るから。いい子にしてろ。



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