私のダーリン

奈緒って‥誰‥。
右手のスマホが
ガタンと床に落ちた。

離れていると
こんな風に見えない事があるんだ。

「なんだ。知らないのは私だけ、
あはは‥。」
全身から力が抜け立っていられず
膝から崩れ落ちた。
そうだよね。隼は、仕事もできて
かっこよくて、私とは釣り合わないよね。
このまま目を覚ましたく無いとさえ思って
しまった。

　　
俺は、スマホを奪われて
勝手に訳のわからない事を
言いやがって

俺はムカついて

「あなたは、仕事上の同僚。それ以上でも、それ以下でもない。今は、プライベートなんだよ！」

「あら。彼女誤解するかしら？ねぇ？
誤解させてこのまま…」
甘ったるい匂いが更に俺を苛立たせた。

「悪いが、和香は、あんたより
何百倍もいい女なんだよ。俺が
惚れた女だからな！二度と俺に
話しかけるな！仕事以外受け付けねぇ
から覚えておけ！」

「なっ！なによ！ちょっとイケメン
だからって！」
ギャァギャァ言ってるバカ女を
無視して
俺は自宅に向って走り出した。

和香…。
泣いてなきゃいいけど。
自宅に帰ったら電話して見よう。
今は、あの甘ったるい匂いを
早くはらいたくて
足早に最寄り駅に向った。

電車に
15分程乗り
マンションに着いた。
胸ポケットからスマホを出し
電源を入れると
着信が…。
掛け直すが繋がらない。
「くそっ！！和香…
着ていた服をソファーに脱ぎ捨て
シャワーを浴びた。

焦る気持ち。
話せばわかってくれる。
なにもやましい事などないのだから…。
何度かけても
繋がらない。
「ふう〜。すっげー疲れた…」
普段はあまり口にしないタバコに火をつけた
「ふ〜。クッソーー‥」
明日は、本格的に
立ち上げた仕事に着手する大事な
一歩。
とにかく今は、それを軌道にのせる。
ごめん。和香。
信じて待ってくれ。
俺は何度も自分の胸に
言い聞かせた。