嫌なアイツ




私は病院から走って出た。


もう…

もう…


翔は私の事を知らないと言った…

私の記憶だけが翔の中から消えた…

翔にはもう逢えない逢っちゃいけない…

翔の記憶は私との全てを忘れさり私と翔は赤の他人に成ってしまった…



翔にもう逢えない…



あの意地悪で…
でも本当は優しい…

私の大好きな翔に…



もう二度と逢える事がない…



私はアスファルトに座り込み声を殺し肩を震わせて泣いてると…



〔愛莉ちゃん…〕


翼さんの声がした。



翼さんは私を追い掛けて来たんだ…


座り込んで泣く私を翼さんは立たせそして私は翼さんに抱き締められた…


〔兄貴の記憶が戻るまで俺が愛莉ちゃんを守るから…だから愛莉ちゃんもう泣かないで…〕

翼さんにぎゅっと抱き締められた。



私はもう…

どうしたらいいのかさえ解らなかった。



私は翼さんの腕の中で…


意識を手放した…





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