嫌なアイツ
気が付いたら…
私は白い部屋のベットの上に寝かされてた。
起き上がろうとすると…
〔まだ少し横に成って寝て無いとダメだよ!〕
と翼さんがこちらに近付いて来た。
私は翼さんの腕の中で泣き疲れて気を失ってしまってたみたいだった。
〔愛莉ちゃん?兄貴の事なんだんだけどさ…一過性の記憶喪失に成ってるって診断を受けたよ…愛莉ちゃんの事以外は全部正常で愛莉ちゃんの記憶だけがスッポリ抜け落ちてるんだよ…〕
と翼さんは私を寝かする為に横にしながら話をした。
私は黙って翼さんの言葉を聞くしか無かった…
〔兄貴の愛莉ちゃんの記憶がいつ?戻るかは解らない…もしかしたらこのまま戻らないかも?知れない…〕
翼さんは続けた。
〔もし…。もしも兄貴の記憶が戻ら無かったら愛莉ちゃん僕が兄貴に代わって愛莉ちゃんを幸せにしていい?愛莉ちゃんが俺を翼と言う一人の男として観てくれる?兄貴の…翔の弟じゃ無く一人の男として…〕
翼さんの顔は真剣で目は真っ直ぐ私を捕らえ声もいつもより低く翼さんの本心だと解った。
〔返事は直ぐじゃ無くていいから…〕
翼さんは言った。