嫌なアイツ
私は返事を出来ないままでいた。
〔さっ!愛莉ちゃんもう少し寝るといいよ!また様子を観に来るから…〕
翼さんは私の頭を撫でながら言った。
私はうん。
と頷いて目を閉じた
翼さんはずっと頭を撫でてくれてた。
気持ち良く成って来た私は意識を無くした。
私は夢を見た。
翔が遠くへ行く夢で私が追い掛けても追い掛けても翔に追い付く事も触れる事も出来ない手を延ばしても翔が遠ざかる夢だった。
何度も翔の名前を呼んでも翔は振り向く事が無く…
翔は私の前から姿を消した夢だった…
そして…
私はただその場に座り込み翔の名前を何度も呼び泣き崩れるしか無かった…
〔愛莉?〕
…………………。
〔愛莉?〕
…………………。
〔愛莉ちゃん?〕
…………………。
私は誰かに呼ばれ目が覚めた。
…………………。
〔愛莉ちゃん?大丈夫?〕
翼さんの心配そうな顔が私の目に入ったけど…
翼さんの顔が歪む…
回りを見渡しても景色が歪む…
〔愛莉ちゃん?うなされてたけど…大丈夫なの?〕
そう言い私の目を拭いてくれる翼さんに私は泣いてた事を気付かされた。