嫌なアイツ




翼さんは安心したかの様に…


〔愛莉ちゃん有り難う。兄貴を病院へ連れて帰るよ!〕

そう言って靴を履きだした。



翔は玄関で立ったまま何か?を考えてる感じだった。



〔兄貴?病院へ帰るから靴を履いて。〕

翼さんの言葉に翔は靴を履いた。



玄関の扉を開けた翼さんが振り向き…

〔じゃ愛莉ちゃん病院へ戻るから…また連絡いれるからね〕

て言って外に出た。



私はついついいつもの癖で…


翔の背中に行ってらっしゃい…
と言うと翔が一瞬、立ち止まりこちらを向いた。


私はビックリしたけどそのまま笑顔で翔を送り出した。


カイザーとジュリアも私の足下で尻尾を振り翔を送り出す。


これが毎日の日課だったから…

ついつい癖が出てしまった。



扉を閉めた私…


玄関前で泣き崩れた



カイザーとジュリアは私の側に来て泣くな!と言わんばかりに私の顔を舐めた。


翔の居ないこの部屋で私は何日も一人で生活をしなくちゃいけないんだ…

そう思うと…

また泣けてきた…




翼さんからメールが届き無事、病院に着いたと言う知らせだった。





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