嫌なアイツ
私は翔に言った通り家の事をしながら病院へ下着の交換やパジャマの交換の服を持って行く様にしていた。
でも翔に逢わない様に…
翔が寝てる間に荷物を交換して帰って来たり…
翔のリハビリの間に袋を交換したり…
とにかく翔に逢わない様にしてた。
逢うとやっぱり…
辛いから…
私の記憶が無い翔に逢っても…
辛いだけだから…
逢う勇気が無かった
みんながお見舞いに行っても私は行かず家にずっと居た。
いつも夕方に翔の病院へ行き荷物の交換をして屋上に上がり夕焼けを観るのが私の日課に成ってた。
私は夕焼けを観ながらあの日の出の事をいつも思いだし…
泣いてた…
『貴女はいつもそうやって夕日に向かって泣いてますよね?どうか?したんですか?』
と聞き覚えのある声に声を掛けられた。
寝てたはずの翔がなんで?
ここに居るのか?
私は気のせいだと…
私は耳までおかしく成ったんだ…
そう思って夕日を眺めてると…
『俺の事をシカトするの?』
また声がした。
空耳でも無い…
間違うはずの無い翔の声に振り向いた。