嫌なアイツ




振り向くと…



パジャマ姿の翔が立ってた…


私は翔の姿を観て思わず後退りした…

なんで?

後退りしたのか?

自分でも解らなかった。



『貴女はなぜ?いつも夕日を観てここで泣いてるんですか?貴女は一体、俺の何なの?何で俺の身の回りの事をしてくれるの?』


翔の質問に答えられない私は…



ごめんなさい…

それだけを言って翔から逃げた。



家に着き私は洗濯を始めた。

何も考えたくなくて



翔の言葉を忘れたくて…


なんで私は翔の彼女だとあの時ちゃんと言え無かったんだろう…

私は…

私は…



…………………。



その日を境に私は翔の病室に行く事を止めた。

洗濯の交換を翼さんに預ける様に成り翼さんから汚れ物を受け取る様にした。



翼さんは嫌とも言わず引き受けてくれた



私は散歩や買い物以外、外に出る機会が減った。



心配した海莉と饗庭さんが時々、家に来て翔の様子を話してくれたけど…

訊くのは正直、今の私には辛い…



でも笑顔を絶やす事はなく私は強く成ったと自分で過信していた。





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