嫌なアイツ
私は海莉と饗庭さんを観ると…
二人はVサインを出した…
その瞬間…
私はまた振り返り…
全力疾走でもと来た道を走った。
冗談じゃない…
こんなに早く翔に逢うなんて…
私の心の準備ってものが出来てない…
余りにも突然過ぎて私は海莉からも饗庭さんからも…
そして…
翔からも逃げる様に走った。
でも直ぐに翔に捕まってしまった…
『何で逃げるの?』
翔は私の手首を掴んで私の動きを止め言って来た。
何も答えれる訳がない…
翔の顔を観て逃げました…
そんな事は言えない
私は手首を翔に掴まれたまま…
その場にしゃがみ込み下を向いて泣いてしまった…
翔が足を着き私の顔を覗き込んで来た。
翔が手を放した時、私は咄嗟に立ち上がりまた走り出した。
でもまた捕まった…
『いい加減、観念したらどうなの?』
翔の声は少し低かった…
私は下を向き黙ってると…
『何度、逃げたって俺は追い掛けて捕まえてみせるから…』
翔のその言葉を聞き私は本当に泣き崩れた。
翔が記憶を無くす前に言った言葉だったから…