嫌なアイツ
私はしゃがみ込んだまま泣いてると…
『俺さ…記憶が微かに…微かになんだけど戻り掛けてるみたいなんだ…頭の中に霧が張ってたのが少しずつ晴れて来てるんだよ…』
翔が私に言った。
『それに夢の中に女の人が出て来ていつも笑ってるんだよ…でも俺はその女の人は泣き虫だって何故か?知ってるんだ…俺が側に居ないと…支えてやらないとダメなんだって…』
………………。
『あんたが病院の屋上で夕日を観て泣いてたのがずっと頭から離れなかった…あんたが姿を消した時俺は何故か?泣いたんだ…』
…………………。
『あんたは俺の記憶の鍵に成る人じゃ無いのか?』
翔にそう言われた時に…
私は咄嗟に…
違うと思うよ…
きっと貴方の勘違いだと思う…
私は翔を拒絶した。
そして…
もう二度と逢う事は無いと思う…
海莉の結婚式で貴方に逢うのもきっと最後だよ…
私は翔にいった…
『じゃ海莉ちゃんの結婚式が貴女に逢える最後のチャンスだと言う事ですか?』
翔は何故か?
敬語に成り…
淋しそうな顔をして私を観た…