嫌なアイツ




着替えも終わり私は海莉に先に出るからと伝え部屋を出た。



ほんとに安曇の…

家の話をされるのはごめんだから…



家が嫌いとかじゃない…


ただ…


特別な目で見られるのが嫌なだけ…



安曇の家の子だから何でも出来て当たり前…

出来なかったらなんで出来ないの?
みたいな目で見られるのが嫌…



小さい時からそんな目で見られ続けてたから本当に嫌に成ってた。

勉強に至ってもそうだったから…


先生に大学に行く様にと言われたけど私は断った。

早く回りを見返したい一心で…


だから若くして師範に成った。



誰からも何も言われない様にする為…


でもその選択が間違ってた事に気付いた時にはもう母の仕事を手伝い自分で物を創りあげる人に成ってしまってた…


逆に自分を苦しめる事に成ってしまったなんて…


皮肉な話…



頑張れば頑張るほど空回りする私…



はぁ~
もうよそう…


私は屋上へ向かう為に廊下を進みエレベーター前までこんな事を考え歩いた。



受付前にはまだみんなが残ってた。


嫌だな…

そう思った私は反対側に設置されてるエレベーターに乗る為に回れ右すると…





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