嫌なアイツ



「愛莉ちゃん?この絵葉書やカードに賭けてみない?」


由良さんが急に変な事を言い出した。



「恐らく…。最後に届く絵葉書かカードはあの丘の日の出だと俺は思うんだけどな!」


根拠のない由良さんの言葉に…


【何でそんな事が由良に言い切れる訳なの?】


海莉が私の代わりに疑問をぶつけてくれた。


「これってさ…。俺達4人しか知らない場所だし知らない事なんだよ!他に誰かに話した事なんてある?」


由良さんの言葉に私と海莉は頭を振り言ってないと答えた。


「だろ?俺も翔もそんな話は二人の時にしか話した事が無いし話をするのも4人での方が多かったからさ…。俺が思うに間違いなく翔からの絵葉書とカードだと思うよ。」


由良さんはそう言って続けて私に向かって…


「一度、翔の預金通帳の記帳でも行ってみたら?愛莉ちゃんが管理してるんだよね?恐らく毎月20万くらいは転々と何処かから引き出されてる筈だからさ…」


由良さんは笑顔で私に向かって言った。


考えてもみなかった翔の預金通帳の記帳なんて…

でも私がカードを預かってて通帳や印鑑なんかもこの家にあるのにどうやって現金を引き出せると言うの?




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