嫌なアイツ
私は廻りから空元気だと言われても自分の心を殺し元気にしてると言うのに…
作業を止めた手は母に抱きついてた…
そして私は母に抱きついたまま…
『心配はいらないから…。私は海莉と由良さんと翔の事で喧嘩とかして無いし海莉は予定日が過ぎて不安なだけだから…お母さんと由良さんが側に居てくれれば海莉は安心するから私が行かなくても大丈夫…。』
抱きついたまま母に私は言った。
〔愛莉?貴女、少しは仕事を休みなさいよ…。休みなしでずっとここに来て仕事をしてるんでしょ?少しは私とお父さんの気持ちも考えて家に帰って来なさい。海莉の事は解ったから…。〕
母も私を抱き締めてくれた。
涙が零れそうに成った…
泣いたらきっと止まらない…
ダムが決壊を起こした様な感じで涙が零れる…
止めど無く涙が枯れるまで私は泣き続けるだろう…
私は歯を食いしばった。
奥歯に力を込めて…
〔海莉の子供が産まれたら直ぐに連絡するからちゃんと病院へ来るのよ。待ってるからね。〕
母は私を離し私の顔を覗き込み言った。
私が頷くと…
〔じゃお母さんはお店に戻るけど愛莉?無理だけはしないでよ。〕
母は手を振り行ってしまった。