嫌なアイツ
愛しい人を待つ…
かけがえのない人を待つ…
その辛さや淋しさ苦しさは容易では無かった。
私の心がいつ崩れてしまうかあやふやな一本の糸で繋がれてるだけの気持ち…
いつ切れてもおかしくない私の心…
崩れかけては翔との想い出の品を出し観たり場所に出掛けたりしてる私…
私は強くない…
そんな事、自分が一番、解ってる事だから…
翔に逢いたい…
自分の心を偽り続けた私の心は壊れる寸前まで来てる事も自分で解ってた私。
でも翔との約束を果たさないまま私は他の事を出来ない…
前に進めない…
後、半年もしたら約束の3年目が来る…
それであの場所にあの丘で翔に逢えなければ私は諦める事が出来る。
もう苦しい辛い淋しい哀しい想いをしなくて済む…
だから後すこし…
私の心、壊れないで耐えて…
私はガラス越しに由良さんと海莉の子供を母と二人で眺めていた。
「お義母さん。愛莉ちゃん?」
名前を呼ばれ振り向くと由良さんが立ってた。
「愛莉ちゃん。忙しいのにわざわざお見舞いに来てくれて有り難う。海莉にもう逢った?」
由良さんに言われ頭を左右に振る私。