嫌なアイツ



海莉には本当に申し訳ない事をしてると自分でも思う…。


姉として…

海莉のお祝いを一緒にしてあげれない…しない私を海莉はどう思うか?

ごめん…。

そう言うしかない…

そう思うしかない…



由良さんにだって謝るしか私には出来ない…


家族より仕事を優先する私。

温かい部屋で何不自由無く育てられた私と海莉。
家庭との【絆】と言うのを嫌でも教わり肌で感じ父と母と兄達の愛情を二分して育った私達。

だからこそ…

私はそこから出ようとしてる。


甘えた考えを棄て安曇と言う名前で私は支えて来られた。
自分の力じゃない…

母や祖父母達が築きあげて来た名前…

それを継承するに相応しい人間なのか?を自分で確かめ納得した時に安曇流を継承したい…。



家を継ぐのが嫌だった私なのに…

普通に結婚して普通に奥さんと呼ばれたかったのに…


翔を失った途端、私の思考回路は仕事一本に成り仕事一筋人間になってしまい翔の事を忘れる為に…自分の力を試す為に私は今がむしゃらに仕事をしてる。



はぁ~
嫌だ嫌だ…

また考えてるよ…



今はレセプションの事だけを考えないといけないのに…



私は頬を打ち気合いを入れ直した。





< 364 / 450 >

この作品をシェア

pagetop