嫌なアイツ




『本当に大丈夫?無理しないでね。』

と心配そうな顔で言って来たアイツ…



そんな顔をしないで欲しい…



自分でどんな顔をしてるのか?
解ってるの?

私はそう言いたかった…



私は…

何で?

普通に喋ったりしてるの?

私…

苦手で嫌いな相手だったはずなのに…

皆が廻りに居てるから安心して?



う~ん…
解らない…



でも今こうやってアイツの腕の中に居るのに嫌じゃない…

なんで?


自分の事なのに…

自分の事が解らないって…


どう言う事?



私はアイツから離れ皆の所へ行くよ!

とアイツに笑顔で言うと…



『愛莉さんは本当に男心を解って無いんですから…』


はぁ~
と大きな溜め息を吐かれてしまった。



私はそんな事お構いなしでアイツの手を引き早く!早く!とアイツを急かせ皆と合流する為に携帯を出し海莉に電話をして現在地を訊き今から行くと言って電話を切った。


電話を切った後アイツに皆の現在地を話すとアイツは解ったよ。と言い私の前を歩きだした。



少し歩いたら…


皆の姿が見えて来た



饗庭さんも翼さんも背が高いから直ぐに発見できた。







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