嫌なアイツ




私がアイツの手を引っ張って走り出した



アイツは私に…

『そんなに走らなくても皆、待っててくれてるから…』


と小走りで私の後ろを付いて来るアイツに私が振り向き…


早くしないと花火も観れなくなっちゃうからダメ!
だから早くみんなの所へ行くの!


そう言ったらアイツは笑って私に解りましたよ!と返事をした。



みんなと合流でき私はアイツと繋いでた手を離し海莉に抱き付いた。
海莉は驚いてたけど私の耳元で…


【翔さんの機嫌は直ったみたいだね?愛莉ちゃん?これからはちゃんと気を付けないと翔さん怒らせたらきっと怖いと思うよ!!】


海莉は私の耳元で言うと続けて…


【愛莉ちゃん?翔さんの気持ちが解ったでしょう?翔さんは愛莉ちゃんしか観て無いんだよ?】

と言われた。


…………………。


返事が出来なかった私…

ただ黙って海莉の話を訊いてた…

確かに海莉の言ってる事が正しいんだと思ったから…

でも私はまだアイツをちゃんと許せて無いんだ…

許せないんだ…




あの花束事件の事…


私はあの時、悔しくて泣いた。

生花の良さを知らないあの女の人にもアイツに対しても…






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