嫌なアイツ




アイツに総てを任せろと言うの?
無理に決まってんじゃない?


そう言うと…



【明日、翔さんと出掛けるんでしょ?翔さんから聞いてるから明日は二人で初デートを楽しんで来たら?私は明日、約束した通り饗庭さんの所へ行くから…】



海莉…



私は海莉に…

反対しないの?

何で私をそんなにアイツの所へ行かせたがるの?

何がそんなにめでたいの?


私の気持ちは?

私はアイツを好きだと言った記憶がないのに…


そう海莉に言うと…



【愛莉ちゃん?愛莉ちゃんは確かに翔さんの事を好きだと言ったよ。私の目の前でもちゃんと言ったし私も翔さんも聞いたから…】



う!

うっ!

嘘でしょ?


私が大きな声で言うと…



【ほんとだよ!】

と平然な顔をして言う海莉…


嘘を言ってる節は全くない…

双子だからこそ嘘なのか?本当なのか?見破れるお互いの癖があるから…

でも海莉ちゃんが嘘を言ってるとは思えない…



じゃ…

私は本当にアイツを好きだと言ってしまったんだ…



大きな溜め息を吐く私に海莉は…



【実は翔さんに協力して欲しいと頼まれてたから協力してたの】

と言った海莉…








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