若輩者

俺の声に反応しこちらを見る彼女。そして頭の上にはハテナマーク。

「あの俺、あなたに水泳を習ってた佐藤隼汰です。覚えて、ますか…?」

声をかけてから覚えてないかもしれない、いや覚えてないのに声をかけて失敗したと思った。一瞬考えた彼女は閃いたような顔をした。

「しゅんた!あ〜、覚えてるよ!たしか背泳ぎのとき見てた子だ!!」

久しぶり、大きくなったね、なんてはしゃぐ彼女を見てホッとした。

「よかった、忘れられているかと思った…」

「そんなことないよ。初めてクラスを持った子だったし、5歳児だったのに好みの顔だななんて考えてたしね」

笑いながら爆弾発言をした彼女。好みの、顔…?

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