貴方に会えたから。
その言葉を聞いて安心したのか、翔はゆっくりと目を閉じた。
これが人の命が終わるときなのか
きっと普通なら大声をあげて泣くのかもしれない
でも、私は辛すぎてそんな気力もなかった
翔が死んだ
その言葉だけがあたまの中にあった
私は翔を思いっきり抱きしめて
「ありがとう。翔。そして、お疲れ様。」
そして唇にそっとキスをした。
これがお別れのキスだ。
少し冷たい唇が翔が死んだということを実感させた。