傷む彼女と、痛まない僕。

 「んー。 長距離走の時とかは、確かにラッキーって思うけどね。 長い距離を走った事がないから分かんないけど、みんな超絶嫌がるし、しんどそうだから、相当怠いんでしょ?? 長距離走って。 でも僕、バスケ見るの好きだから、今日は参加したかったかな。 ・・・てゆーか、吉野さん、今日見学なの?? 体調悪い??」

 「女子には月1で具合が悪くなる週がありますからね」

 『よっこいせ』吉野さんが腰を擦りながら、僕の隣に座った。

 ・・・あぁ。 生理か。

 「大丈夫?? 痛い?? 辛くない?? ・・・って、僕に言われたくないか。 女のコって大変だね」

 異性な上に、痛みの分からない僕に心配なんかされたくないだろうなと、言ってしまってから後悔。

 「まぁ、個人差あるからね。 痛みが重い人もいれば、全然平気な人もいるし。 てゆーか、北川くんってバスケ好きなんだ」

 僕の気まずさを知ってか知らずか、吉野さんが話題を変えた。
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