傷む彼女と、痛まない僕。


 「・・・オレが北川をバスケ部に慰留したのは、北川の事を友達だと思ってたからだよ。 北川はそうは思ってないみたいだけど、オレは親友だと思ってた。 だからずっと、嘘ってゆーか、隠し事されてるのがスゲエ嫌だった」

 『やっと口割ったなー』と眉を八の字にして笑う小山くん。

 小山くんに嫌われてしまったのだと思っていたから、小山くんの言葉が心うれしく、安堵した。

 「僕だって、小山くんの事親友だと思ってるよ。 ・・・てゆーか、小山くんだって頑なに好きな人隠してたじゃん」

 「そうだけど、普通にバレてたんだろ??」

 「まぁ、そうだね」

 『ククッ』

 小山くんとこんな風に笑い合うのは3日ぶりで。

 3日間のギスギスが開放された様で、楽しくて嬉しかった。
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