傷む彼女と、痛まない僕。
「うん。 病気じゃなかったら、バスケ部に入ってただろうなって思う。 ・・・あ!!」
吉野さんと話をしながら、目で追っていた男子のバスケの試合で、吉野さんの前の席の小山くんが打ったシュートがブロックされた事に、思わず反応して声を出してしまった。
「何!!?」
そんな僕の声に吉野さんが驚き、肩をビクっとさせた。
「あ、ゴメン。 小山くんのシュート、叩き落とされちゃったなーと思って。 小山くん、身長が大きくないからゴール下に切り込んで行かずに3P狙ったんだと思うけど、背が小さい人はよっぽど早くシュート体勢作れない限り、やっぱり上背ある人にブロックされちゃうよね」
さっきの奇声の言い訳をすると、
「じゃあ、小山はどうすれば良かったの??」
さほどバスケに興味なさ気に見えた吉野さんが、僕の話に喰いついた。