傷む彼女と、痛まない僕。
「そっか。 北川ってバスケ好きなんだ。 さんきゅーな。 オレ、背小さいからゴール下に切り込むの諦めててさ。 でも、運び屋じゃなくて自分でも得点したくてさ。 『だったら3P決めてやる!!』ってそれしか考えてなかったわ。 確かに得点決められたのは、北川のおかげだわ」
小山くんが僕の肩をポンポンと叩いた。
「そんな・・・。 僕は別に・・・」
本当に自分はお礼を言ってもらう様な事をしていないので、どうしたら良いものかと戸惑っていると、
「北川くん、バスケ部に入れば?? マネージャーやれば?? 北川くんの知識はきっと役立つと思う。 小山、バスケ部だったよね?? 口利くっしょ?? あ、北川くんの気が乗らないなら、無理に入る事ないけどね」
吉野さんが、更に僕を混乱させる提案をしだした。