世界を守れそうな6人
「うーん……なかなかあなどれないなあ……」


奏にバトンタッチをした後、息を切らす相手をチラッと見る佐和。

これならばもう少し早く走るようにしても良かったのかもしれないと、後悔した。

いつまでも後悔していたらいけないと、すぐにマイナス思考から切り替え、

既にスタート地点に立つ蛍人の方をじっと見つめた。

その横には里緒の姿がある。きっと蛍人は逃げたい気持ちでいっぱいに違いないだろう。

先に話しかけられる前に、と佐和は先手必勝と言わんばかりに彼にエールを送る。


「湯浅君、リラックス。逃げたら負けなんだから!　ね?」


今まで見向きもしなかった、佐和の方をやっと向いた蛍人は軽く頷いたようにも見えた。

表情も幾分か落ち着きを取り戻したかのように見える……が、それもすぐに終わる。
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