世界を守れそうな6人
里緒に何か話しかけられたらしい蛍人の表情が強張ったのだ。

佐和には里緒が何を言ったのかは聞こえなかったが、蛍人の様子からしてとんでもない事を言ったのだろう。


(あー……ちょっとヤバいかも。奏君とユズで何とかなれば良いんだけど)


佐和は1人、心の中で焦った。第1の問題である旭の事は放っておいて。





奏は先程の徒競争での走りが嘘のように、疾走していた。

スカート姿であってもなくてもその姿は周囲を驚かせ、

たまにスカートがめくれると応援席の男子達は懸命になって覗こうと、興奮する。

ある意味水着姿の女子テニス部よりも男子の熱気はムンムンだ。

そんなちょっと悲しい男子達に奏は後で何かしてやろうと心に決めつつ、接戦だった距離を一気に縮め逆転した。

既に走り終えていた咲や佐和は、その姿を見て歓喜の声を上げる。
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