世界を守れそうな6人
「先輩お疲れ様です! 私の出来なかった事を軽々となしえるなんて……流石です」

「いや……ボクはただご主人様の期待に応えただけだから」

「ご、ごしゅ……?」

「何でもないよ。ほら、残る3人も応援しないと」



やや戸惑っていると言う事は、咲はすっかり忘れているだろう。

咲扮する白ウサギの従者が、奏扮するメアリーアンと言う事を。

からかったつもりがそうならなかった事に、奏は少しだけ苦笑いを浮かべた。





(絶対に蛍人にバトンを渡す……絶対に蛍人にバトンを渡す……)


旭はスタート地点に立ったその時から、ずっと同じ言葉を念じ続けていた。

何が何でも蛍人にバトンを渡す。ただそれだけを。

騎馬戦で多くの気力を使い果たした旭を動かすのは、もはやそれだけしかないにも等しかった。

もし自分のせいで負けたとして、蛍人が大変な目に遭う事になっても。

その時はその時で自分が責任を持って蛍人を支えよう。そう決意していた。
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