世界を守れそうな6人
佐和の声援を受けた直後の事。

蛍人の隣にまるで忍びよるかのように現れた里緒は彼に言う。


「絶対に負けないんだから」


それは何も知らない人達から見れば他愛のない物。言った里緒もそこまで考えて言った訳ではない。

だが蛍人からすればそれは恐怖以外の何ものでもなかった。

負けたら大変な事になる。それを蛍人は改めて思い知らされることとなる。

その恐怖は徐々に彼の平常心を奪って行く。

結果、蛍人は旭から受け取るはずのバトンを落としてしまう事となったのだ。

わずかとは言えリードしていたのに、そのミス1つのせいで再び順位が逆転した。

すぐに拾い上げ里緒との距離を縮めようとする。

が、縮めたとしてもあまり傍にいたくない蛍人からすればそれもまた拷問に近く。
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