世界を守れそうな6人
一同が見守る中で旭は中にいる幽霊との会話をやめ、何故憑いたのか等を全員に教え始める。


今、旭に憑いている幽霊は10代半ばの女性。恐らく明治大正から昭和初期辺りに亡くなった。

その死因は森へ出掛けたきり何日も帰って来ない兄を捜しに行った時、崖で足を滑らせた事による転落死。

そしてこの女性は今も兄を捜し続けているそうだ。


「ほら、ここから少し離れた場所に町があるだろ?
この幽霊はそこで生まれ育った。地元でも有名なお嬢様だったんだと」

「その話から推測すると……行方知らずのお兄さんを見付けて欲しくて、旭に取り憑いたって事かな?」


奏の問い掛けに旭は頷く。ここで単純な思考を発揮したのは佐和。

だったらそのお兄さんを捜してあげよう、と言い出したのだ。
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