世界を守れそうな6人

ただ、信じて。

10分くらいした頃、奏と別の女子生徒が第1ポイントに辿り着いた。

女子生徒がスタンプを貰っているその傍で、奏は里緒の姿を見付け、こっそりと声を掛けた。


「笹原さん、リタイアしたの?」

「うん。もう少ししたら他の先生が迎えに来るから、その先生と一緒に帰るつもり。
……って、他にも何か聞きたいって顔ね。遠山君の事でしょ?」


里緒の鋭い発言に奏は少しだけ驚き、頷いた。里緒はいるのに旭がいない。

大抵リタイアと言う者はペアでするものであり、どちらか片方がするような事はほとんどないからだ。


「榊君、もうすぐ……」

「もう少し待ってくれないかな? ちょっと聞きたい事があって……」
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