世界を守れそうな6人
「やっぱり早いな」

「そっちこそ」


佐和の姿がどこにも見当たらない事から、まだ彼女は店の中なのだろう。

数時間ぶりに2人きりとなった彼らは言葉もなく、ただ並んで立ちつくしているだけであった。


「おい、あそこのベンチ空いたぞ。座っておけ」

「……足の事を気にしているんだったらいらない心配だけど?」

「別に心配なんてしていない。とにかく座っておけ」


数分の沈黙を破り、柚太が空いたベンチに座るように郁人に言う。妙な優しさを感じつつも郁人は、

空いた1人分のスペースに“仕方ないから座ってやる”という気分でそこに腰掛けた。
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