神様はピエロ、
「ちょっとあんたら、
あたしだけ仲間外れとか
まじ悲しいんだけどー。」
突然、後ろから凛が現れた。
あたし達は驚いたけれど
存在感の薄い凛が
可哀想でなぜか笑えた。
「凛が遅いから悪い!」
柚子が笑いながら言う。
あたしは柚子と凛の
笑い声が好き。
からからって晴れた日の
空みたいに明るく笑うから、
‥好き。
「凛、柚子また彼氏と
喧嘩したんだってー。」
「もう別れちまえよ、
あの男、うち好きくねえ」
凛の特徴の毒舌。
冷たくてハスキーな声
だけど本当は明るいし
凄く面白いってこと
あたしは知ってる。
凛は優しいから。
「てか蜂谷って柚子の
こと好きらしいよー?」
「えー、まじで!?」
「いいじゃん!うち
蜂谷かっこいいと思うよ?」
蜂谷巧といえば三組でも
なかなか人気のある男子で
何人もの女の子に
告白されていたが全て
断っていたため
好きな子がいると
専ら噂になっていた。
まさか柚子だったとは!
あたしも柚子が
今の彼氏と別れて巧と
付き合えばいいと
思うけれど、
「ちょっと君たち、
あたしは彼氏一筋なの!」
あたし達が心配するのを
よそに柚子は彼氏に対して
残酷なほどに一途だ。
浮気性の彼氏が柚子を
捨てるのは時間の問題と
なっているのに。