神様はピエロ、
放課後、
あたしは旭の家に行った。
旭の家に行くということが
どういうことかなんて
あたしが一番分かっていたのに。
「あ‥、あさひぃ‥」
「やべえ、菜央まじ
お前の中気持ちいー‥!」
「‥あさひ、すきっ」
旭があたしの上で
動いている。
激しく腰を揺らしてくるから、
あたしは気持ちよすぎて
呂律が回らなくなってきている。
「菜央、すきだ‥」
「あ、あああーっ‥!」
2人で果てた。
旭が「好き」って
言ってくれたから、
あたしは本当に嬉しくて
泣きながらイった。
いつもこのパターン。
キスもしないし
抱き合ったりもしない。
ただエッチするだけの関係。
絶頂に達する前に
旭の口から聞ける
「好き」の言葉を求めて‥。
目が覚めると旭は
煙草を吸っていた。
あたしは急いで服を着る。
エッチが終わった後、
旭はあたしには目もくれない。
「じゃあまた明日‥」
「ああ‥」
旭‥。
前は駅まで送ってくれたし
夜には家まで送ってくれたのに‥。
旭はあたしのことなんか
彼女って思ってないんだよね。
そんなこと‥
分かってたのに‥、
悲しいよ。
その日、
泣きながら家に帰った。
家に帰ったらすぐに寝てしまった。
その日の夢の中で
あたしは旭にふられていた。
目が覚めたら
あたしは泣いていた。