私を捕える愛の罠
1章
瀬名水晶、今年で23歳。
ANGELというアパレルメーカーでファッションデザイナーを勤める私は、入社4年目。
専門の高校を卒業し、そのまま会社に就職。
今はANGEL LiPというガールズブランド
の工房でデザイン画を描く毎日。
入社1年目はダメダメだったものの、毎日沢山のデザイン画を描いていくうちにだんだん上達し、今ではデザインが使われる様になった。
「皆、少し集まってくれ」
リーダーの綾崎和馬の側へ集まると、
「他のアパレル会社から来た日番谷だ。自己紹介な」
ANGELにはガールズ、メンズ共にそれぞれ色々なブランドを立ち上げており、それぞれがランダムに振り分けられる。
(他会社からの転勤かぁ。有能なんだろうな……えっ!?)
私は自分の目を疑った。
何故なら、その人物は知った顔だったからだ。
彼の名は日番谷蒼汰、私の元カレ。