私を捕える愛の罠
私は会社の寮へ戻ると、お風呂に入り布団に寝転がった。
(今日は色々あり過ぎて疲れた…)
元彼と再会したと思えば、良いように弄ばれて。
明日の不安を掻き消すように目を閉じる。
うとうとしていた所で、ピンポーンとチャイムが鳴った。
(もー、折角寝そうだったのに…)
「はーい」
扉を開けると、そこには蒼汰がいた。
「今晩は、水晶さん」
「え、どうして私の部屋に」
愛想の良い笑顔を浮かべながら、蒼汰はドアを閉めようとする私を押さえ、気付くと部屋に入っていた。