アリスには赤い薔薇を 猫には白兎の首を



「きゃっ」



アリスは何かに
つまずいて
転んでしまった。



また、膝が血で
滲む。




アリスはその場に
座り込んだ。



ずっと走ってきたから
息が上がっていた。



「はぁっ…はっ…ふ」



痛い。




膝の傷だけじゃない。






一番ズキズキする
ところを探す。




左腕にぱっくりと
まるで刃物で切った
ような傷。




血がどんどん
あふれてくる。






「ふっ…ぅぇ…」



ぽたぽたと眼から
水滴が出てくる。



腕からでる血と同じ。





止まらない。




地面には
透明な液体と
赤い液体が
染み込み始めた。





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