アリスには赤い薔薇を
猫には白兎の首を
痛い。
怖い。
誰か……
怖い。
「ぅ…うぇっ」
傷の痛みと
孤独の恐怖
小さな子どもの
ようにアリスは泣いた。
「また傷
増やしてる」
猫だった。
アリスを
追いかけていた。
息はまったく
上がってない。
汗ひとつかいて
いない。
猫はアリスに
そっと近寄った。
「ゃだっ
来ないでよっ」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
やめてやめてやめてやめてやめて
ひとりは嫌
でも独り
じゃないと嫌なの