アリスには赤い薔薇を
猫には白兎の首を
「私だって
帰れるなら早く
帰りたいっ…です」
「うん」
知ってると猫は
柔らかく笑った。
なんだか猫の
笑顔は安心する。
「それで、
どうやって名前を
思い出せば
いいんですか?」
「…………」
「知らないんですか?」
「うーん……
僕は【迷い人】に
似た者でも
【夢追い人】だから」
ちょ~っと
違うんだよねと
猫は照れた。
「えっ?」
新しく出てきた
言葉に私の頭は
フリーズする。
「名前
探してるんだ
なかなか記憶が
戻らなくて」
「えっえっじゃあ
猫ってゆ~のは」
「うん、アリスと
同じで
与えられた名前」