アリスには赤い薔薇を
猫には白兎の首を
「なんであなたは
【迷い人】とか
【夢追い人】とか
知ってるんですか?」
私は今の今まで
わからなかった
ことなのに。
猫はう~んと
一拍おいてから
口を開いた。
「君ー…
アリスに会って、
頭の中から
知識がわいてきた
さっきまで
知らなかったこと
知ってたことに
なってる」
「………」
「それと同時に
もとの記憶も
少し戻った
誰かと話してた
僕の記憶」
アリスはそれは
誰とは聞かなかった。
そのかわり
指に髪の毛を
くるくる巻きつけ
枝毛を探す
ふりをする。
「多分、僕の
記憶の鍵を握る
のはアリス
君なんだよ」