アリスには赤い薔薇を 猫には白兎の首を
【鍵】を求めて森の中


「じゃあ改めて

とりあえず今の
名前はアリスです

よろしくです」


アリスはぺこりと
おじぎした



「うん
よろしくアリス

僕は猫

猫のチェリシイ

これも与えられた
名前なんだけどね」



そうして猫の
チェリシイはアリスに
握手を求めてきた。


なのでアリスは
そっとチェリシイの手
を握った。



チェリシイの手は
温もりが
なかった。



「………」


やっぱりどこかで
チェリシイを見たことが
ある気がした。



どこでだろう?



もとの世界で
だとはなんとなく
わかるのだけれど

いつ、どこで?
と訊かれたら
答えは出ない。



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