アリスには赤い薔薇を
猫には白兎の首を
わからないことを
大切なことを
思い出すためにも
今は【鍵】を
見つけないと。
「んと。
とりあえず
移動しますか?」
辺りには何もない
ただの草原。
こんなところには
【鍵】なんて
ないだろう。
そもそも【鍵】が
何なのか
わからないけど
キラキラ光る
モノもない。
「【鍵】はない?」
「ん~…
何にもキラキラ
してないです」
チェリシイは【鍵】が
キラキラ光ってた
と言った。
その【鍵】が私
だなんてにわかに
信じられないけど。
「……そう
じゃあ行こうか」
猫ことチェリシイの
猫耳が心なしか
しょんぼりと
して見えた。