アリスには赤い薔薇を
猫には白兎の首を
いつの間にか
男の人が目の前に
立っていた。
アリスはそっと
顔をあげる。
「あなたはだぁれ?」
変な人だった。
灰色と水色の
しましま服の上下の
服にそれとお揃いの靴。
それらは頭に付いてる
猫の耳と同じ模様。
銀色の長い前髪で
顔がわからない。
「猫」
「猫……さん?
生きている証って?」
アリスは首を傾げる。
生きていることに
人が息していることに
証なんているのかな?